梅雨空の続く平日夕方、開始直前にメンバーが駆け込みでやってきました。
新会長TM A.T.は会長として初めて開会の辞を述べました。あまりハードルを上げすぎず、リラックスして運営していきたい、とのことでした。
今夜のTMOE(司会)はTM N.Y. 外は曇り空で肌寒いが、例会の雰囲気を温めていけるよう努めます、と意気込みを語りました。
今夜の言葉はTM G.K. 久しぶりの登場で、職場で答えのない問題に取り組んでいることから、「不確定」を選びました。
準備スピーチ1
スピーカーはTM T.H. タイトルは「ムーンショット」でした。
前回のスピーチでは「スーパー銭湯でストレス解消している」と話していましたが、仕事がうまくいかず、大きなプレッシャーを感じているそう。
そして、そんなときはスピーチもいいお題が思いつきません。餌を探すネズミのようにきょろきょろし、空を見上げてみるものの、生憎の曇りでさらにテンションが下がってしまいました。
そんな折、お台場のマンモス展に息子さんと出かけ、神秘的な展示に圧倒されたそう。
そこで、5500万年前から地球上に生息していたマンモスの進化の過程も知ることになります。
なんと、巨大なマンモスは、元を辿ればネズミだったというのです。また、マンモスも大きさや形が様々で、多様な進化を遂げたのでした。
そこで、TM T.H.は、自分も、今はネズミのようにキョロキョロとスピーチのネタを探しているけれども、いつかマンモスのように多様な進化を遂げ、笑いを取ったり、癒しのスピーチを披露することができるかもしれない、と考えました。
タイトルのムーンショットは、ケネディ大統領が不可能と言われたアポロ計画を成功させたことから、無理だと言われたことに挑戦していくことを指すそうです。
TM T.H.は、
様々な出会いや発見から人は学び、成長できます。あなたもムーンショットを売ってみませんか?
と結びました。
スピーカーはちょっとお疲れのようでしたが、聴衆は元気をもらえるスピーチだったと思います。
準備スピーチ2
スピーカーはTMA.O. スピーチタイトルは「『どこでもドア』は何故ユニバーサルデザインでないのか」でした。
どこでもドアをよく見ると、ドアノブが開け辛い丸形になっています。TMA.O. は、ドラえもんは2129年からやってきているのに、不思議なことだと考えていました。
これはドラえもんの放送が始まった1960年代にユニバーサルデザインのコンセプトがなかったからです。
「え~、ここからは映画の話です。」と突然話は映画に飛びます。
映画の中には、ドラえもんと同じように未来の話なのに道具はローテク、というものが度々登場します。
例えば1979年公開の「エイリアン」は2122年の設定ですが、宇宙船のモニターは厚みがあって、色数も少なく古い印象。一方、「エイリアン」の前日譚として2089年という設定で制作された「プロメテウス」という映画に登場する宇宙船のモニターは、薄型で表示できる内容も多く、”未来”の装置より新しく見えます。
こうした違和感のある作品がある一方で、見事に未来を予言した作品もあります。
1968年に公開された、スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」が好例です。
こちらもSF作品で宇宙船が登場しますが、内装のデザインは空間を横に使用しており、シンプルで、2019年現在からみても、近未来的な印象を受けます。
また、 宇宙船をコントロールするAIはカメラのみであらわされ、ディスクにデータを保管する様子が描かれているのです。さらに、タブレットや宇宙食まで登場していることには驚かされます。
ここで、TMA.O.は「Simple is the Best」で、シンプルなもののほうが時間が経っても古く見えない、と結論を述べました。そして、「今日の講義はここまで」と結んでいます。
目の付け所がシャープなスピーチで、楽しい映画の時間でした。
論評1
最初のスピーチへの論評担当はTM A.T.でした。
良い点3点と、今後へ向けての提案が1点を述べました。
まず良い点として、導入から自然に本題に入っていくシームレスな話の運び方を挙げました。
今までのスピーカーのスタイルからは異なる話し方ですが、いつの間にか話に引き込まれていた、と述べました。
2点目は以外な展開で期待を良い意味で裏切る構成を挙げました。まさかストレスの話からマンモスになるとは。
そして最後に、ストレスフルな中でも聴衆をクスっと笑わせるユーモアを忘れなかった点を称賛していました。
改善の提案は、結論部分が聴衆への提案になっているので、スピーカー自身がどんなムーンショットを打ちたいのかを伝えると、より印象深いスピーチになるのでは、と結びました。
論評2
2人目のスピーチへの論評者はTM K.A. でした。
まずタイトルが秀逸、と言及し、ドラえもんとユニバーサルデザインという目の付け所が良く、最初から聴衆の笑いを誘っていた、と述べました。
論評者の知っている駅にどこでもドアがあるが、ドアノブに着目したことはなかったそう。
そこから一気に映画の話にもっていき、3つの映画を比較していましたが、様々な場面を取り入れて比較しており、結論の「Simple is the Best」を説得力のあるものにしていた、と言います。
改善点としては、映画の制作年と作中の年代がそれぞれあって混乱しやすいので、作中の設定年度で並べたほうが聴衆が理解しやすいのでは、と述べました。
総合論評
TM T.M.は、スタートは人が少なく、アサイン等大変だったでしょう、と司会者をねぎらい、そんな中でも見事に割り振りを行い、進行していたことに対し、感謝を表しました。
論評者への論評では、TM A.T.に対しては模範的な構成であり、安定感があって、余裕を持った語り口で、安心して聞くことができた、と語りました。
また、TM K.A.に対しては単刀直入な評価から入り、小話を挟んで論評をしており、こちらも安定感があった、と言います。ただ、ベテランの会員なので、もっと分析できたのではないか、とも述べました。
最後に、皆全体的に会場の右側に立ったまま話しているので、もっと会場を広く使いましょう、と結びました。